
配膳・下膳は患者さんに食事を配ればいいだけではないの?

その考えではいつかインシデントになるで!
皆看護師の皆さんが毎日何気なくしている患者さんの食事の配膳・下膳ですが
作業的にやっていると大きなミスを犯しかねないのが配膳・下膳です!
そう思っているだけではいつかインシデントを起こすでしょう(;´・ω・)
今日は新人看護師さん向けに食事の配膳や下膳の際に注意するべきことを紹介したいと思います!
これが出来れば、配膳・下膳のチェックは完璧ですよ!
✅何気なく配膳・下膳をしている人
配膳時に注意したいこと
患者さんの確認
食事の札を確認して札と患者さんに相違が無いか確認することは必須です!
患者さんによって食事の種類・形態は全く異なってくるためもし間違って違う患者さんに食事を配膳してしまうとその後誤嚥・高血糖など絶対に起こしてはいけない症状を引き起こしてしまうかもしれません!
その人の食札をしっかり目と耳で確認しましょう!

配る時にお名前教えてください~
って本人に確認するのが確実やな!
食前薬・インスリンは無いか
内服薬には食後・食前薬の2種類があります
薬によっては必ず食前に飲まなければいけないもの、もしくは主治医が意図的に食前に飲ませるように指示しているものがあるため
配膳時に“この患者さんは食前薬は無かったかな?”と少し考えてみましょう
また、インスリン注射は食事前に必ず行わなければなりません(物によっては食直後のものもあります)
既往歴に糖尿病がある方、食事前の血糖測定が高かった人の食事を配る時は特にインスリンの存在を忘れないようにしましょう
✅食事前の血糖測定・インスリン注射忘れのインシデントは多い
食後に検査がある人は延食になっているかもしれない
いつもなら食事を食べている患者さんの食事が無い・・・?
とアワアワし、ずっとその食事を探していると時間だけが過ぎていきます
無いということは意図的に延食・絶食にしているか、栄養科がまさかの配膳車に乗せ忘れていたかのどちらかです
延食になる理由としては昼過ぎすぐにCTやエコーの検査があることが考えられます
いつも食事がある人なのに配膳車にない時はすぐにカルテを確認しましょう
患者さんに合わせたセッティング
患者さん全員に対してオーバーテーブルや床頭台に食事を乗せるだけではいけません
その患者さんに合った食事のセッティング方法を考えましょう!
たとえば、脳梗塞の症状で左空間無視のある患者さんの食事は右側にセッティングする、腕を骨折している患者さんの食事は骨折側とは反対側に食事を寄せるなど個別性を考えた食事のセッティングを行っていきましょう

こういうところはSTさんと相談したらいいな!
スプーンのサイズは大丈夫?
配膳車が到着すると患者さんのおはしやスプーンをお盆に乗せることから始めますよね!
しかし、スプーンのサイズは本当にそれで合っていますか?その患者さんにおはしは必要ですか?
ここも個別性に合わせたセットをする必要があります
特にスプーンのサイズには注意しましょう、間違ったスプーンをセットし患者さんがそれで食事をした時に誤嚥を起こしたら当然こちらの責任になります

事前に誤嚥リスクの高い患者さんのことは把握しておこう!
下膳時に注意したいこと
食後薬が飲めているか
患者さんに配った薬を飲んでいるかの確認をすることは下膳時に行いましょう!
お盆の上に薬の空袋が置いてあるから大丈夫!
これでは、本当に飲んだのか確認できません。
もしかしたら高齢者やコンプライアンスの悪い患者さんは薬を飲まずに隠したり、ごみ箱に捨てているかもしれません、また床に落ちていることも多くあります
空袋を確認したらその次に床や床頭台、患者さんの衣服に落ちていないか、皆さんの目でしっかり確認しましょう

まさかのこの患者さんが!?
って人が薬隠してたりするから、注意必要やで!
食事量や飲水量の確認
食事をどれだけ食べているか、または水を飲めているかも下膳の際にしっかりと確認しましょう!
あまりにも食事摂取量が少ない患者さんに対しては点滴にて補液をしなければなりません
患者さん全員の把握は困難でも、せめて自分の受け持ち患者さんの食事・飲水量の確認はしておきましょう!
口腔ケアの実施の有無の確認
食事をしたあとはセルフケアの充足の観点から口腔ケアをしているかの確認をすることも大切です!
自分自身で出来る患者さんならともかくこちらが介助をしなければいけない患者さんに対しては下膳の時にやっていきましょう!

入れ歯も外してや~
下膳してすぐに患者さんを横にしない

もうご飯食べたからしんどいから横にならせて!
下膳時にこの言葉を言ってくる患者さんは非常に多いものです
状況によっての判断にはなりますが、基本的には食後30分程度は座位でいてもらうよう説得しましょう

ご飯食べてすぐ横なったらもっとしんどいで~~~~~
って言って出来るだけ座ってもらおう!
もちろん患者さんの病態や症状に合わせた判断が必要やで!
まとめ:配膳・下膳も立派な看護
今回は食事の配膳・下膳についての注意点を説明しました!
配膳時の注意点
✔患者さんの確認
✔食前薬・インスリンの有無
✔延食になっている理由を考える
✔患者さんに合わせたセッティング
✔スプーンのサイズは大丈夫?
下膳時の注意点
✔内服薬の確認
✔食事量・飲水量の確認
✔口腔ケア実施の有無の確認
✔下膳後すぐに患者さんを横にしない
口腔ケアも立派な看護です!
特に新人の頃は先輩に言われるがままに食事の配膳・下膳をしていることが多いでしょう!
しかしそれではいつか皆さんが大きなミスをしてしまいます
今のうちからしっかりと観察点を意識して配膳・下膳を行い、大きなミスを防いでいきましょう!
では、また!
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